昔はある程度年齢の行った男性に多く見られていた薄毛や抜け毛の悩みは、近年では男性だけでなく、女性にも多く見られるようになっており、さらに若年層で薄毛に悩む人も見られるようになってきました。以前は加齢によるものと考えられていた薄毛も、研究によってホルモンバランスの乱れが引き起こす男性型脱毛症である人が多くなっており、全国で約1,260 万人がこの症状を発祥しているといわれています。
日本人の人口が1億2000万人程度ですから、総人口で計算すると約10人に1人が男性型脱毛症に悩んでいると考えられます。更に、男性型脱毛症の症状が出やすい成人以上の男性に絞ると、8割以上の人が髪の毛に対しての悩みを抱えたことがあるという計算で、もはや悩みやコンプレックスという点で最も多い症状が男性型脱毛症といえます。
なお、AGAに悩む人は増加推移をたどっており、今後も増えるといわれていますが、その原因は近年の欧米化した食生活や、不景気、人付き合いや仕事に関するストレス、睡眠不足などによるホルモンの乱れが大きいといわれています。ホルモンバランスが乱れることにより、男性ホルモンの分泌量が増加した結果、そのホルモンの一部が毛髪に進入して、別の物質に変化してヘアサイクルを短くして抜け毛を促進させたり、成長や再生を阻害して、いつまでたっても細く抜けやすい髪の毛しか育たなくなります。特に気をつけたいのが、男性ホルモンの分泌量が活発な若年層で、限りあるヘアサイクルの回数が、サイクルを早めることによってすぐになくなってしまい、どのような薄毛治療をしても新しい髪の毛が生えてこなくなるという危険性があります。薄毛は早期治療が鍵となる理由もここにあります。
なお、発祥しているのがおよそ1,260万人であるのに対し、薄毛を気にしている人が約800万人、通院や何らかのケアを行ったことがある人は約650万人となっており、全体の半数近くはそのまま何もせずに放置しているという統計です。一昔前は「薄毛が治る薬が開発できたらノーベル賞」などという話もありましたが、今や日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドラインの発表により医学的なエビデンスを基に薄毛を改善出来る時代が来ており、AGA治療は飛躍的な進歩を遂げています。
実際にこういった薄毛の症状に悩む人とはどういった層が多いかというと、ケアをしている人の内大半は男性で、女性の場合には男性ホルモンによる薄毛という症状に自分を当てはめるケースが少ないことが良く分かります。しかし、男女関わらず男性ホルモンの分泌は行われてますし、ストレスや加齢、乱れた生活習慣などから、本来は育毛や発毛を誘発する女性ホルモンの分泌量が減少し、発毛を阻害する男性ホルモンが分泌されることによって、男性型脱毛症と同じ原理で発祥する女性男性型脱毛症と呼ばれるFAGAにかかっている人は少なくありません。近年では、男女関係なく気軽に通うことができるクリニックも増えていますし、一部男性しか利用できなかった治療がありましたが、その大体方法として色々な治療法が確立されていますので、毛母細胞の分裂回数が残されているうちに、早めに治療を受けて、いつまでも健康な髪の毛を維持できるように気をつけましょう。
経済的な理由や立地条件などから、クリニックや発毛サロンでの治療が受けにくいという人の場合には、自分である程度ケアをする方法もあります。そもそも、この症状はホルモンバランスの乱れが大きく影響していますので、女性の場合は生活習慣や食生活を整えて、リラックスする環境づくりをするだけでも症状が軽減されることがあります。また、女性ホルモン様のサプリメントを摂取したり、市販のヘアケア製品を使って頭皮の血行を改善させるなど、少なくとも今の状況よりも髪の毛を育ちやすくする環境に変えていくことは十分可能です。しかしながら、男性の場合は男性ホルモン(テストステロン)の量も多く、サプリやストレスケア、育毛剤やスカルプシャンプーなどで抜け毛が解消する確率はごく僅かですので、本気で薄毛を解決したいのであれば多少無理をしてもまず病院へ足を運ぶことをおススメします。
男性型脱毛症に悩むの人口の割合は9~10人に一人という割合で発祥していますので、決して人事ではありません。気になりだしたらそのままにしておかずに、早めにクリニックで検査やカウンセリングを受けて、自分でできる対処をしたほうがよいでしょう。近年では、AGAの症状に関する最新型の再生医療も導入されており、費用も時間もかかりますが、発毛効果は非常に高いといわれており、もはや薄毛は治らない症状ではなくなりつつありますので、髪の毛の分裂回数が残っているうちに適切な処置を行いましょう。